2012年2月8日水曜日

フィンランドの時間割事情

フィンランドの教育に関して、時々話題になるのが、
「フィンランドは、授業時間数が少ないのに、子供たちに学力が付いている。」ということ。

本当に、授業時数が少ないのか?自分で確かめてみたい、と思いました。

そこで今日は、研修校を参考に、小学校1年生から6年生の時間割について、注目したいと思います。
フィンランドでは、学校裁量の事柄が多いため、私の研修校が一般的とはいいきれません。
また、この時期の時間割表をもとにしていて、各学年の年間、また6学年間で調整していることも多々あります。そのあたりをご了承ください。)



職員室に、
各クラスの時間割、各先生の時間割が
掲示されています。

(ちなみにここが研修校の職員室。
日本のような、ひとり一つの机はなく、
先生たちは、中央の机を囲んで、
談笑したり、仕事をしたりします。
集中力を要する仕事は、
教室でやっているようです。)



それらの時間割をもとに、次の5つ+αについて、まとめてみます。


1.週当たり時数

●1年生・・・・・・21時間(確か、クリスマス前までは20時間だった気がします。)
●2年生・・・・・・21時間
●3年生・・・・・・23時間
●4年生・・・・・・24時間
●5年生・・・・・・25時間
●6年生・・・・・・26時間(選択授業に参加する子は、+2時間で、計28時間)

※6年生の選択授業は、Forssaの場合、ドイツ語またはフランス語。
場所によっては、スペイン語等、他の言語のこともあります。
また、Forssaでは、財政削減のために、この選択授業は現6年生をもって終了してしまうらしいです。
現6年生は、5年生の時からこの選択授業がありましたが、現5年生以下は、とることができないそうです。


2.授業時間

●どの学年も、1時間あたり45分



3.教科別の各学年週当たり時数

●1年生・・・母国語7、算数4、環境情報2、宗教1、音楽1、体育2、視覚芸術2、手芸2

●2年生・・・母国語7、算数4、環境情報2、宗教1、音楽2、体育2、視覚芸術1、手芸2

●3年生・・・母国語6、算数4、環境情報3、宗教1、音楽2、体育2、視覚芸術1、木工・手芸2、英語2

●4年生・・・母国語6、算数4、環境情報3、宗教2、音楽1、体育2、視覚芸術2、木工・手芸2、英語2

●5年生・・・母国語4、算数4、歴史2、生物・地理2、物理・化学1、宗教1、音楽2、体育3、視覚芸術2、
木工・手芸2、英語2

●6年生・・・母国語4、算数4、歴史2、生物・地理2、物理・化学1、宗教2、音楽2、体育3、視覚芸術2、
木工・手芸2、英語2

※「宗教」といっても、キリスト教関連のことに加え、倫理的なこと、モラル的なことも扱う時間です。

※「視覚芸術」とは、日本で言う図画工作のような授業です。

※「木工・手芸」は、時期によって木工のみまたは手芸のみ行ったり、高学年になるとどちらかを選択したりしています。高学年の場合は、木工、手芸はそれぞれ違う先生が、同じ時間に教えています。

※時間割は、このように科目で分けられていますが、例えば「宗教+音楽(宗教の授業で讃美歌を歌う練習)」、「歴史+芸術(歴史で学習したエジプトを参考に、その頃を想像して絵を描く)」等、先生の裁量で、合科的な授業も、頻繁に行われています。



4.少人数で学習するための、時間割の工夫。

・・・例えば、4年生は、月曜日に5時間授業を受ける子と、火曜日に5時間授業を受ける子といます。
月曜日と火曜日の最終の授業時間は、クラスの半分の子が受けられるようになっているのです。
先生にとっては同じことを2回教えることになるのですが、子供にとっては少人数なので、先生に見てもらう時間が増えたり、質問がしやすかったりして、好都合です。

この少人数で学習するシステム、算数や手芸で活用されていて、どの学年でも、一人当たり週に1~2回は少人数で学ぶことができます。



5.各先生の持つ授業と週当たり時数

●クラス担任の先生は、24~27時間。
基本的にはクラスを担任して教えているが、それぞれの先生の主専攻または副専攻を生かせるように、他学年・他クラスを教えることもあります。
また、木工は男の先生、男女別の体育の授業(5,6年生に限る)はそれぞれ同性の先生が教えるなどの工夫があります。


●英語担当の先生は、20時間+教科書作成の仕事あり。





いかがですか?

数えてみたら、週当たりの授業時数は、多少は違いますが、そんなに日本と変わらないのです。
但し、フィンランドは、夏休みが2か月半。秋休み、クリスマス休暇、スキー休みが各1週間。
長期休みは、日本に比べて多いです。

あとは、フィンランドは、行事にかける時間が日本に比べたら圧倒的に少ないので、日本の行事の時間分、学習時間に当てられていると考えられます。

トータルするとどうなのか・・・よくわかりませんが、そんなにとてつもない時間の差はない気がしています。



そして、+αとして注目したいのが、登校時間と下校時間。

●フィンランドでは、登校時間が8時または9時、10時の日も。また下校は、早ければ1時。遅くとも3時には、授業が終了します。学校で過ごす時間は、4時間~長い日で6時間。


●日本では、登校は、だいたい8:30、下校は14:30~15:30。学校で過ごす時間が大抵毎日6時間はあります。


このフィンランドと日本との違いの要因、それは、昼食時間にあります。

●フィンランドでは、昼食をいただくランチルームがあり、全学年が順番にランチルームを使用して食事をします。だから、給食準備もなく、食事にかかる時間は15~20分程度。
掃除時間もありません。
合理的なことを好む、フィンランド人らしい、時間の使い方だなぁと思います。

●日本では、給食当番が準備して、みんなで「いただきます」「ごちそうさま」をするので、昼食時間は賞味40分。掃除もします。日本の場合、昼食前の授業終了時から、昼食後の授業開始まで、休み時間も入れて約1時間20分。

※日本の学校で掃除時間があることを話すと、どの先生も「それはいいねー。」と言ってくださいます。




以上です。長くなりました。

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